イシモチは、スズキ目スズキ亜目ニベ科に属する、20~40センチ(最大で60センチ程度)の大きさの魚です。
釣り上げた時に「グーグー」と鳴くという(正確に言うと、浮き袋を振動させる)という、変わった特徴があります。
日本では東北から南に、世界ではインド洋、太平洋などの温帯の海域に生息するイシモチは、流通量が多いので、馴染みのある人も多いのではないでしょうか?
今回はそんなグーグーと鳴く、イシモチの特徴や食べ方、栄養についてご紹介します。
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イシモチってどんな魚?
イシモチはさまざまな呼び名を持つ魚です。
ハマチなど、成長すると名前が変わる出世魚というわけではありません。
地域などによって少しずつ特徴的な呼び名があるのが、イシモチのおもしろいところです。
実際には、イシモチ、シログチ、グチなどと呼ばれ、それぞれに名前の由来があります。
主に関東で呼ばれる”イシモチ”は、石のように硬い耳石を持つ特徴からついた名前です。
”グチ”に関しては、浮袋を振動させる際に聞こえるグーグーという鳴き声が、「まるで愚痴をこぼしているようだ」と捉えられたことに由来します。
”シログチ”は他の魚と区別するためにつけられた名前で、イシモチの名を持つ魚が他にもいたことから、混乱しないようにシログチと呼ばれるようになったとされていますよ。
イシモチの旬は初夏~夏にかけてで、具体的に言えば6月~8月頃の産卵時期と重なります。
ただし、美味しさが増すということでは冬も捨てがたく、脂が乗って深い味わいになるのでこちらのほうが好きという人もいますね。
季節ごとの美味しさがあるというのも、イシモチの特徴といえます。
イシモチの食べ方
続いては、イシモチの食べ方についてご紹介します。獲れたての新鮮なイシモチの食べ方は、何と言っても刺身が代表的です。
ただ、鮮度の落ちが早いので、刺身用として出回っていることは少ないのが残念なところです。
シンプルに塩焼きで食べることもでき、はふわふわの食感を楽しめます。
刺し身、塩焼き以外で一般的なイシモチの食べ方として挙げられるのが、煮付けです。
塩のみで味付けをした通好みのものや、甘辛く煮付けてご飯のお供にするものなど、いくつかの調理法がありますよ。
イシモチを良く食べる家庭では、それぞれのイシモチの煮付けの味があるのでしょうね。
その他にも開干しを焼いたもの、ムニエル、フライなどの食べ方が楽しめます。
また、蒲鉾などの練り物の材料としてもイシモチが使われることが多いです。
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イシモチのさばき方
イシモチも他の魚と基本的なさばき方は一緒です。3枚おろしの場合はうろこを丁寧に取りますが、イシモチは身が非常に柔らかいのが特徴なので、さばき方のコツは力を入れ過ぎないことです。
刺し身として食べる場合は、さらに腹骨を抜き取り、残った骨を骨抜きなどで残さないように1本ずつ抜けばOKです。
3枚おろしのさばき方がわかりやすい動画も見つけましたので、合わせてご紹介しますね。
イシモチの栄養・効能
イシモチは一言で言えば高タンパク低カロリーな魚で、脂肪分が少ないヘルシーな食材です。含まれている主な栄養素にはカルシウム、ナトリウム、カリウムなどのミネラル分、そしてタンパク質があります。
魚の栄養といえばカルシウム、というのはイシモチも例外ではないんですね。
カルシウムはご存知の通り骨や歯を丈夫にし、若々しく保つのに必須の栄養素ですが、現代人の生活に関連するところでは「ストレスをやわらげる」というものがあります。
カルシウム不足はイライラや不安など精神的な不安定要素を大きくするとされ、精神がまいりやすくて困っているなどの場合に非常に有効です。
また、他の魚に比べて多く含まれているナトリウムは細胞の外液や血液の巡りのバランスを整える効果がありますよ。
さいごに
今回はイシモチについて、食べ方、さばき方、栄養・効能をご紹介しました。魚屋さん、鮮魚コーナーには、比較的安価で売られていることから、我々消費者に馴染みがあるイシモチ。
グーグー鳴いたり、いろいろな呼び名があったりと、特徴的な魚でもあります。
鮮度の落ちが早いのが残念なところですが、漁港近辺に行くことがあれば、ぜひイシモチの刺身を楽しみたいですね。
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