「なつめ」の食べ方と栄養・効能 果物?漢方薬?

なつめは、クロウモドキ科という分類に属する樹木で、木の実を食用とします。つまり、食べ物としては、果物に分類されます。

日本では庭木として植えられていることが多いものの、あまり食べられることは少ないのですが、生でも食べられる他、様々な食べ方をされるのと、栄養価が高いのが特徴です。

今回は、なつめの実がどんな食べ方ができるかと、その栄養・効能を見ていきましょう。


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なつめの食べ方

生はそのままかじる

なつめの実は果物として生で食べることができます。実の大きさは3~4cmと、そのままでも食べやすい大きさです。ただし、中心に縦長の種があります。

食感は梨やリンゴに似たサクサクとしたもので、ほのかな甘みと酸味がある味です。熟していない実を食べると、噛んでいるうちに渋みが出るので、熟したものを食べたほうが良いでしょう。

なつめ

続けて生以外の食べ方をご紹介します。

ドライフルーツとして

なつめを天日干しし、ドライフルーツにした「干しなつめ」は、なつめの食べ方として一番多いと思います。

韓国料理に使われることも多く、薬膳料理であるサムタゲンにも使われます。

干しなつめはそのまま食べることもできて、生で食べるよりも甘みが増す上に、栄養価も高くなります

また、干しなつめを煮出し、「なつめ茶」として飲むという食べ方(飲み方)もあります。健康に良いと言われ、貧血防止などの効能があると言われています。

その他の食べ方

なつめは干しなつめとして食べられたり、使われたりすることが多いですが、その他にもこんな食べ方があります。

【コンポートや甘露煮など】
砂糖と水で煮出して、コンポートにするとおいしいデザートになります。

また、黒砂糖で飴煮にしたり、砂糖と醤油で甘露煮にするのも美味しいくいただける調理法です。

甘露煮は日本でも飛騨地方では食事のおかずにする風習があるそうですよ。

【なつめ酒】
梅酒と同じように、ホワイトリカーと砂糖に漬けこんで、「なつめ酒」にしていただくというのみ、なつめの飲み方・食べ方として広く知られています。

生のなつめを使う場合と、干しなつめを使う場合、両方のやり方がありますが、色・風味とも干しなつめを使ったほうが強く出るという特徴がありますよ。

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なつめの栄養と効能

なつめは、薬膳料理にも使われるくらい栄養価の高いのが大きな特徴です。特に干しなつめは体に良いとされる成分を多く含み、大棗(たいそう)と名前で漢方にも使われるくらいのものなのです。

漢方と言いうと苦いイメージがあるかもしれませんが、なつめは甘みがあるので服用しやすく、漢方薬の組み合わせで使用されることが多いそうです。

我々のよく知るところでは、風邪薬の葛根湯(かっこんとう)でも使われています。

どんな栄養・効能がある?

では、具体的になつめにどんな栄養と効能があるのかを、見ていきましょう。

【カリウム】
まず挙げられるのが、カリウムです。
カリウムは塩分(ナトリウム)を排出し、高血圧やむくみを予防する効能がある栄養成分です。特に干しなつめのカリウム100グラムあたりのカリウム含有量は、バナナやホウレンソウよりも高く、食品の中でもトップクラスです。

【葉酸】
続いて挙げられるのは葉酸です。
葉酸はビタミンB12とともに血液(赤血球)を作ったり、細胞を作り出す効能があります。妊娠初期の妊婦さんに必須な栄養素として知られていますね。

他にもビタミンB2や亜鉛、マグネシウム、カルシウムなど、体に良いと言われる栄養素がなつめにはたくさん含まれています

なつめの栄養と効能の一覧

なつめに含まれる主な栄養素とその効能を表にまとめてみました。たくさんあるのがお分かりいただけると思います。

主な栄養素 主な効能・効果
カリウム ナトリウム(塩分)排出による高血圧予防
むくみ防止
葉酸 造血作用(赤血球を作る働き)
細胞の再生を促す
ビタミンB2 皮膚や粘膜の健康維持
エネルギー代謝(ダイエット効果)
亜鉛 新陳代謝
免疫力活性化
育毛 など
マグネシウム 血液の生成を促す
動脈硬化・高血圧・心疾患予防
カルシウム 骨や歯を丈夫にする
骨粗鬆症予防
鉄分 貧血改善
ナイアシン ナイアシンは美肌や細胞の再生
アルコールの分解
食物繊維 腸の動きの活発化
身体に有害な物質を排出

健康面だけでなく、女性の美容にも嬉しい成分が多いというのもなつめの特徴ですね。

なつめの豆知識

最後に、なつめについてのあれこれ、豆知識をご紹介します。

【なつめの木の属性】
最初にも少しお伝えしましたが、なつめの木はクロウメモドキ科ナツメ属に分類されます。
秋~冬に葉を落とす落葉広葉樹です。

【なつめの実の収穫時期】
地域によるのですが、8月中旬以降から10月までがなつめの実収穫時期となります。言いかえれば、なつめの実を生で食べる場合の旬となりますね。

収穫できる期間は2週間くらいと短いです。

【干しなつめの値段】

体に良いというなつめですが、保存の効く干しなつめはどれくらいの値段で入手できるのでしょうか?

調べてみたところ、500グラムで600円~1,000円前後と価格に開きがありました。基本的に中国産のものが多く売られています。

干しなつめの値段はどれくらい?

【「なつめぐ」「ナツメヤシ」とは違う?】
似た名前に、「なつめぐ」という気がありますが、違う種類の木です。
なつめぐはニクズク科に分類され、落葉樹であるなつめの木とは異なり、葉が落ちない常緑高木です。

また、似た名前で「ナツメヤシ」というのもありますが、ヤシの木の一種で、これまたなつめとは違う木になります。

まとめ

今回はなつめについてお伝えしました。
  • なつめは生でも食べられるが、干しなつめとして食べられることが多い
  • その他にも、飴煮、干しなつめのお茶、なつめ酒といった色々な食べ方・飲み方がある
  • なつめ、特に干しなつめは栄養価が高い
  • 干しなつめは大棗(たいそう)と呼ばれ漢方にも使われる
といったことがおわかりいただけたと思います。

ドライフルーツは栄養価が高いことが多いですが、なつめはその典型ですね。そのまま食べる他にも、お茶や飴煮など食べ方、飲み方の方法も多いので健康食品としても続けやすいかもしれません。

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